明智光秀の出生は謎だらけ!?

日本の歴史上最大のクーデター「本能寺の変」。その首謀者であり、主君「織田信長」を死に追いやった「明智光秀」は、「裏切り者」の汚名を負う一方、頭脳明晰で教養もあり、愛妻家だったとして高得点の評価もある戦国武将です。
日本史ファンの話題には事欠かないほどの有名人ですが、その出生は謎に包まれているのをご存知でしょうか。今回は、明智光秀のルーツについて、出生地とされる「明智城」と、ゆかりの地「岐阜県可児市」(ぎふけんかにし)をご紹介しながら追っていきます。

はっきりしない出生から青年期まで

源氏と平氏? 明智光秀と織田信長

2020年(令和2年)1月から放送される、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公に抜擢されたことで、これまで以上に注目を浴びることとなった「明智光秀」。大河ドラマでは、その出生についてどのように描かれるのか、興味をそそられます。

明智光秀は、美濃国(現在の岐阜県南部)の守護・土岐氏(ときし)の分家出身という説が有力です。土岐氏は、56代「清和天皇」(せいわてんのう)を祖とする「清和源氏」の流れをくむ家系で、明智光秀の本姓(古代以来の氏族名)は「源氏」織田信長が、自ら「平清盛」(たいらのきよもり)の子孫であり「平氏の末裔」と公言していたことを考え合わせると、因縁めいた関係を感じてしまいます。

土岐氏の分家出身と言われてはいるものの、土岐氏の家系図に明智光秀の名前はなく、明智光秀の父親が誰なのかについても諸説あり、はっきりと伝えられてはいません。

明智光秀の生年は、「明智軍記」の記載によれば、1528年(享禄元年)。他方、江戸時代の1624~1644年(寛永年間)頃に編纂された「当代記」には、1516年(永正13年)と記載。

さらに、明智光秀とも交流のあった公家で神道家の「吉田兼見」(よしだかねみ)が記した「兼見卿記」(かねみきょうき)の記述では、1540年(天文9年)以降とする説もあります。この説では、1534年(天文3年)生まれの織田信長より年下となるのです。

生まれた城は、おそらく可児市の明智城

明智光秀生誕の地は、美濃国可児郡明智荘長山(現在の岐阜県可児市)にあった「明智城」(別名:長山城)とする説が一般的。

岐阜県恵那市にも明智城がありましたが、江戸時代初期に刊行された書物類から、明智光秀生誕の城は可児市の明智城であるとする説が最有力です。

ただ、出生地とされる場所は、岐阜県瑞浪市や岐阜県大垣市なども挙げられている他、1684~1688年(貞享年間)に書かれた「淡海温故録」(おうみおんころく)では、近江国犬上郡(現在の滋賀県東部)で生まれた可能性が示唆されているなど、候補は6ヵ所にのぼります。

数ある出生地の説の中でも最も有力な可児市の明智城は、明智光秀が仕えた「斎藤道三」(さいとうどうさん)と、その嫡男「斎藤義龍」(さいとうよしたつ)が争った「長良川の戦い」(ながらがわのたたかい:現在の岐阜県)に巻き込まれる運命にありました。

明智光秀と斎藤道三

斎藤道三

斎藤道三

斎藤道三は、油売りから身を立て、戦国大名にまでのしあがった下克上を体現するような人物です。斎藤道三の娘「濃姫」(のうひめ)は織田信長の正室であり、斎藤道三は織田信長の舅にあたります。

斎藤道三は、1542年(天文11年)、当時の土岐氏当主「土岐頼芸」(ときよりのり/よりなり/よりよし)の居城「大桑城」(おおがじょう:岐阜県山県市)を落とし、土岐頼芸とその子「土岐頼次」(ときよりつぐ)を追放。美濃国主となりました

青年となった明智光秀は、土岐氏に替わって美濃国を支配下に置いた斎藤道三に仕えることとなります。

ところが、1556年(弘治2年)、斎藤道三と不仲であった嫡男・斎藤義龍の間で長良川の戦いが勃発。土岐氏から美濃国を奪い取った斎藤道三に味方する地元の武士はわずかで、一説には7倍とも言われる斎藤義龍軍との兵力の差はいかんともしがたく、斎藤道三は長良川の戦いに敗れます。

明智光秀の当時の動向は明確には伝えられてはいませんが、斎藤道三方に付いたのは間違いありません。そのため、生家である明智城は斎藤義龍軍の攻撃にさらされてしまうのです。

明智城の陥落


明智城址

明智城址

明智城は、1342年(康永元年)に鎌倉時代末期の武将「土岐頼兼」(ときよりかね)が築城。土岐頼兼は「明智」へと改名し、以降およそ200年に亘り、 城は明智氏代々の居城として栄えました。山の稜線や谷などの地形を活かした、中世によく見られる「山城」(やまじろ)です。天守はありません。

明智城が斎藤義龍軍に攻められた1556年(弘治2年)9月19日、城代(じょうだい:城主に代わって城を守る者)を務めていた「明智光安」(あけちみつやす:明智光秀の叔父とされる)は、弟の「明智光久」(あけちみつひさ)をはじめ、一族の者870人ほどを集めて籠城。これに対して、斎藤義龍軍は3,700人を超える軍勢で、2日間に亘り猛攻を仕掛けます。

もはやこれまでと覚悟を決めた明智光安は、自分の息子である「明智秀満」(あけちひでみつ)に明智光秀を託して、城から脱出させました。明智光安自身は明智光久と、妻や側室と共に自刃したとされています。陥落した明智城が、その後再建されることはありませんでした

浪人となった明智光秀ですが、叔父の明智光安から明智家再興を任されたことを忘れてはいません。越前国(現在の福井県)の国主「朝倉義景」(あさくらよしかげ)を頼ると、その優秀な頭脳と鉄砲の腕前を認められて、軍師として仕えることになりました。

朝倉義景の軍師となった明智光秀は、こののち、鎌倉幕府15代将軍となる「足利義昭」(あしかがよしあき)と深くかかわり、やがて織田信長の家臣となって歴史の表舞台に登場。運命が大きく動いていきます。

明智城跡と明智家ゆかりの天龍寺

現在、明智城跡は可児市指定史跡となっており、「明智城址散策道」として、春から秋にかけてはハイキングが楽しめるよう整備されています。

城の旧状は、ほとんど留めていませんが、屋根のない「冠木門」(かぶきもん)タイプの「大手門」(おおてもん:城の正面口)や、本丸跡、曲輪(くるわ)、土塁などの遺構を見ることは可能です。

天龍寺

天龍寺

また、明智城跡から北東におよそ300mという間近な場所にある「天龍寺」は、明智一族歴代の墓所があり、明智光秀の日本一大きな位牌(184cm)も祀られています。

明智光秀が没したとされる6月には、例年「光秀供養祭」が行なわれ、その遺徳を偲んでいるとのこと。手入れの行き届いた庭もあり、静かな雰囲気の中で眺めるのもおすすめです。

明智光秀博覧会2020 in 可児市 -Akechi Expo 2020

花フェスタ記念公園

花フェスタ記念公園

明智光秀生誕の地、岐阜県可児市では、2020年(令和2年)1月11日から「明智光秀博覧会2020 in 可児市 -Akechi Expo 2020-」の開催が決定!

頭脳明晰で戦がうまく、家族や家臣には愛情深かったと言われる明智光秀の生き様と魅力に迫る博覧会です。

花フェスタ記念公園 花のミュージアムエリア」に4つのテーマゾーンが出現、グルメや体験型のイベントも多彩で、楽しみながら戦国時代を学ぶことができます(※すべて予定です)。

大河ドラマ館ゾーン

「かっこいい! 戦国武将明智光秀」と題して、NHK大河ドラマ・麒麟がくるの登場人物や、演じる俳優、人物相関図など、史実を交えながら紹介。

また、大河ドラマに登場する風景のジオラマや、フォトジェニックな撮影コーナー、VR体験などがあり、戦国時代へタイムスリップしたような楽しみ方ができます。麒麟がくるの世界へ、明智光秀と一緒に飛び込んでみましょう。

大河ドラマ館ゾーン概要
会場 花フェスタ記念公園(可児市瀬田1584-1)
花のミュージアム ミュージアムホール
開催期間 2020年1月11日(土曜日)~2021年1月11日(月曜日・祝日)
開館時間 9~17時
入館料 大人500円、小中高生200円
(一般団体400円、小中高生団体160円)
※花フェスタ記念公園入園チケットとセットになったお得な共通チケットも販売予定
休館日 年中無休(予定)

明智光秀ゾーン

「明智光秀が生きた時代」をテーマに、明智光秀の誕生から、「本能寺の変」の顛末、そして「山崎の戦い」まで、勇猛果敢に生き抜いたその生涯を紹介します。

キーワードは、「戦う力」、「治める力」、「導く力」、「愛する力」の4つ。明智光秀が備えていた「戦国武将として必要とされる力」を掘り下げていきます。

また、可児市をはじめ、明智光秀にゆかりのある岐阜県内外の地域も紹介。明智光秀の人となりが、より身近に感じられることでしょう。

戦マルシェゾーン・戦国広場ゾーン

たっぷり楽しんで、お腹がすいたら「戦国時代を食べる、買う」がテーマの「戦マルシェゾーン」へ。キャッチコピーは「戦国時代を食べまくれ! 買いまくれ!」。明智光秀と戦国時代にちなんだグルメや、地元可児市の特産品がずらりと並ぶ予定となっています。

さらに、「戦国広場ゾーン」では、甲冑(鎧兜)の着付け体験やチャンバラ合戦など、様々な「明智光秀なりきりイベント」が目白押し。明智光秀になった気分で、戦国時代の雰囲気を体験してみてはいかがでしょうか。

【明智光秀生誕の地 可児市 公式ホームページ】
https://akechimitsuhide.com/

  • 東建塩河カントリー倶楽部
    岐阜県可児市にあるゴルフ場です。JAPANゴルフツアー開幕戦「東建ホームメイトカップ」の開催コースとなりました。

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