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「大多喜城」(おおたきじょう)と言えば、知る人ぞ知る戦国武将「本多忠勝」(ほんだただかつ)が初代城主を務めたお城。「徳川家康」の家臣として「姉川の戦い」、「長篠の戦い」など50数回参戦し、傷ひとつ負わなかったと伝えられる名武将です。そんな「大多喜城の刀剣展」があると聞き、行ってきました!

本多忠勝とは?

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本多忠勝

本多忠勝」とは、「徳川家康」の家臣です。徳川四天王のひとりと言われる名武将。徳川家康の家臣として50数回戦に参戦し、負けるどころか傷ひとつ負わなかったという逸話があり、「家康に過ぎたるものが2つあり。唐の頭に本多平八」と昔から歌に詠まれたほどの猛者でした。

そんな本多忠勝が愛用した「蜻蛉切」は、天下三名槍のひとつと言われ、刃に止まった蜻蛉を真っ二つに切ってしまうほどの鋭さ。本多忠勝の強さを裏付ける説得力を感じます。なお、平八とは本多忠勝の通称。平八郎とも言われます。

槍が有名な本多忠勝ですが、愛用した刀剣・日本刀はあるのでしょうか?「大多喜城の刀剣展」に行ってきました!

大多喜城とは?

大多喜城の刀剣展が開催されている場所は、千葉県いすみ郡大多喜町です。東京駅から電車で約2時間のいすみ鉄道「大多喜駅」で下車して、徒歩10分。「千葉県立中央博物館大多喜城分館」で行なわれています。

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大多喜城

大多喜城」とは、1590年(天正18年)に、「豊臣秀吉」が安房国(あわのくに:現在の千葉県南房総市)の武将「正木氏」から没収して、徳川家康に与えたお城です。それを徳川家康が、武功として家臣・本多忠勝に与え、本多忠勝が初代城主となりました。

しかし、本多忠勝は、1601年(慶長6年)に伊勢国(いせのくに:現在の三重県)桑名に10万石のままで転封。それ以来大多喜城は、本多忠勝の次男「本多忠朝」(ほんだただとも)に与えられたのです。

ところが、本多忠朝は1615年「大坂夏の陣」で戦死。甥の「本多政朝」(ほんだまさとも)に継がれましたが、1617年(元和3年)に播州龍野に転封。以降は、「大河内松平正久」など、度々城主が代わり存続しました

しかし、1842年(天保13年)、天守閣が焼失し、1871年(明治4年)に取り壊しに。この城跡に、1975年(昭和50年)天守閣が再建され、現在は内部が千葉県立中央博物館大多喜城分館となっています。

本多忠勝が初代城主なので、ずっと本多家のお城とばかり思っていましたが、実は複雑な歴史があったのですね。

大多喜城の日本刀とは?

千葉県立中央博物館大多喜城分館を訪れたら、まず向かって欲しいのが、2階の常設展示室です。本多忠勝の肖像画「紙本著色本多忠勝像」(千葉県指定文化財)があります。やはり、初代城主・本多忠勝に挨拶をしたいですよね。

メイン会場・大多喜城の刀剣展も同じ2階で開催。千葉県立中央博物館大多喜城分館が所蔵する刀剣・日本刀は、平安時代から昭和時代までと幅が広く、約300点とのこと。大多喜城の刀剣展では、この中から選りすぐられた約30点を観ることができます。


70_大多喜城刀剣展示風景

大多喜城の刀剣展 展示風景

いちばんのおすすめは、「太刀 銘 近村上」(ちかむらたてまつる)。作刀した「近村」とは、あの「三条宗近」の子どもと言われている人物です。

三条近村はあまり知られてはいませんが、三条宗近を思わせる美しい太刀姿。地鉄(じがね)は小板目肌がよくつんで地沸(じにえ)がつき、刃文は小乱に小丁子が交じっているのが特徴です。なお、近村上の「上」とは、「たてまつる」と読み、朝廷に献上されたことを意味しています

朝廷に献上された三条近村の刀剣・日本刀を観ることができたなんて、刀剣・日本刀ファンの間でも自慢できてしまうかも。

また「刀 南都住金房隼人丞」も必見です。作刀した「金房隼人丞」(かねふさはやとのしょう)は、大和国(やまとのくに:現在の奈良県)手搔派「正真」(まさざね)の子と言われ、大和を離れて、金房辻という土地に移って作刀したので、金房鍛冶と呼ばれるようになったとのこと。覇気がある豪壮な姿、刃文は小沸できの互の目(ぐのめ)交じりで、華やか。思わず、うっとりしてしまいます。

この他、「備前長船祐定」の脇差や、「来金道」の脇差、「天田昭次」氏作刀の太刀なども展示され、見ごたえ充分でした。

「鉄砲のあゆみ~火縄銃から回転式拳銃」展も開催!

2019年(令和元年)10月25日~12月8日の企画展として、「鉄砲のあゆみ~火縄銃から回転式拳銃」が開催されます。

1543年(天文12年)に伝来されたという「鉄砲」。それまでの弓や槍、刀剣・日本刀とは別次元な物として、戦のスタイルを変える物でした。そんな鉄砲とは、一体どんな物なのか。

鉄砲のあゆみ~火縄銃から回転式拳銃展では、「虎蹲砲」(こそんほう)という、中国から伝わった虎がうずくまっているような形をしている珍しい大砲や、馬上筒などが紹介される予定。こちらの展示も楽しみですね。

また千葉県立中央博物館大多喜城分館では、複製の甲冑(鎧兜)試着体験ができるのも密かな人気。兜の試着だけならよくありますが、小袖、裃などから本格的に着ることができるのです。

本多忠勝の甲冑(鎧兜)はもちろん、徳川家康、「真田幸村」、「井伊直政」までズラリ。当日の申し込みで、料金も無料なんです。あなたも戦国武将になりきってインスタ映えするチャンス!

また毎年10月には「大多喜城まつり」が行なわれ、武者行列(パレード)や和太鼓演奏、みこし担ぎなどで賑わっています。

この機会に、ぜひ一度、千葉県立中央博物館大多喜城分館にお出掛け下さい。

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