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皆さんは、刀剣を持っていますか?「持ってます!」と答える方は、そんなに多くはいないと思います。しかし、刀剣は、一度持ってしまうと、どんどん良い物が欲しくなるという魔性の品。そんな刀剣の魅力に取り憑かれた人が、最終的に足を運んでしまう刀剣商(刀剣買取・販売店)のひとつが、「飯田高遠堂」です!

飯田高遠堂とは?

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飯田高遠堂

飯田高遠堂」(いいだこうえんどう)をご存知ですか?飯田高遠堂とは、東京・目白にある刀剣ショップです。

創業は1880年(明治13年)。初代店主の「飯田亘」氏は、江戸幕府、高遠藩(たかとおはん:現在の長野県伊那市高遠町)藩主「内藤頼直」(ないとうよりなお)の家臣だったお方。つまり、武士。刀剣の手入れをするお役目をしていたとのこと。

しかし、明治維新で武士を廃業し、東京・上野で刀剣商を開業。それ以来、刀剣商は家業として継がれ、戦前は東京・神田旅籠町で、戦後は東京・目白で店舗を構えてきた、由緒ある老舗なのです。

JR山手線「目白駅」からは、徒歩3分。一見、刀剣ショップには見えないモダンな路面店なのですが、ガラス張りのショーケースに、格好良い甲冑が飾られているので、フラフラと思わず近づきたくなる感じ。

店内をちらっと覗くと、何十振もの刀剣や鞘が整然と飾られていて、これまた近付いて観たくなってしまいます。そこで、思い切って、一歩踏み入ってみました!

飯田高遠堂に関する刀剣商の情報をご覧頂けます。

買い方の豆知識

刀剣が欲しいのであれば、どんな刀剣を買ったら良いのかと、日々興味を抱き、考えていると思います。長さは、短いほうが良いかとか、刃文直刃(すぐは)よりも乱れ刃(みだれば)が良いとか、現代刀であの刀匠の物が良いかなど。

そこで、初めて刀剣を購入するときには、どんなことに気を付けたら良いのか、お店の方に質問してみました。答えて下さったのは、5代目店主を務める「飯田慶雄」(いいだよしお)氏です。

飯田慶雄氏(以下飯田氏):「刀剣を購入するときには、まずは最低限、日本美術刀剣保存協会発行の鑑定書が付帯した作品を買うことです。初めて刀剣を購入した方で、刀剣は登録証が付いている物でないと売買が認められないことは知っていても、鑑定書の存在を知らない方が意外と多くいらっしゃいます。その場合は、残念ながら、まがい物の類であることが非常に多いのです。刀剣や刀装具はダイヤモンドなどと同じく、鑑定書付きで売買されるのが常識で、専門店であれば鑑定書の付いた物のみを販売しているはずです。あとは、いざ手放すときに、買い取りが可能かも確認されておくと良いかもしれません。大切な資産となる物ですので、まがい物を掴まないようにお気を付け下さい。」

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鑑定書

そう。飯田高遠堂は、刀剣販売だけでなく、買い取りも行なっているお店。せっかく購入しようと思っているのに、「売る」なんて考えないよと言う方もいらっしゃるでしょう。

しかしそうではなく、買い取りをしているお店というのは、また新しい刀剣を買いたいと思ったときに、すでに持っている刀剣を下取りして、差額の代金で新しい1振を購入できるお店ということなんです。刀剣が下取りしてもらえるなんて、知らなかった~!

自動車の購入方法にとってもよく似ています。例えば、Bの刀剣が欲しいと思ったときに、手持ちのAを売って、差額で購入できるのです。しかも、自動車は長く乗ると、乗った分だけ価値が下がって当然ですが、刀剣は自分の目利きがあれば、ほとんど価値は下がらないし、逆に上がることもあるのです。

また、Cの刀剣が欲しいと思ったときに、手持ちのAを売って、さらに差額の100万円をゲットできることも。そう、刀剣は大切な資産となる物なのです!

刀剣の購入・所持に関する基礎知識をご紹介します。

偽物の刀剣を見極めるポイントについてご紹介します。

刀剣を選ぶ!

飯田高遠堂は、本物中の本物が揃う、信用第一がモットーの高級老舗刀剣商です。

かつては「豊臣秀吉」の所蔵刀だった1振や、国宝級の刀剣を扱っていたという逸話があり、びっくりです。

まじまじと観せて頂くと、ショーケースには人間国宝宮入行平」(みやいりゆきひら)の作刀や、「大慶直胤」(たいけいなおたね)の1振など、刀剣に興味を持ってからまだ浅い私でも知っているビッグネームの作刀がゾロゾロ!

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日本刀

そして、ショーケースに入っていない、何千万円もする秘蔵の刀剣もあるんです。

太刀 銘 家忠(古備前)特別重要刀剣

「家忠」とは、鎌倉時代初期に活躍した備前国の刀工です。

古備前と福岡一文字派に同銘があり、古雅な作風から国指定重要文化財にも1振選ばれています。銘がある物は非常に少なく、貴重。

この太刀は、磨上げているものの、腰反りが高くついた優美な姿。刃文は小丁子風で小乱れが交じり、足・葉が盛んに入っていて巧みです。

刀 銘 以南蛮鉄於武州江戸越前康継

「越前康継」は、近江国出身。越前に移住したのちに江戸に出て、「徳川家康」、「徳川秀忠」に仕えて賞賛され、「康」の一字を賜ったと言われています。

この刀剣は、地鉄が黒みを帯び、板目に杢が交じり、地沸が細かくつくなど、越前鉄の特色がよく現れた1振。

刃文は中直刃で小互の目が交じり、小沸よくつき、総体的に匂口が沈むなど、深い味わいを感じられる初代越前康継の傑作です。

飯田高遠堂の店内は、刀剣だけではなくなどの刀装具や、刀剣を学べる書籍もたくさんあって、観ているだけでおもしろく、つい長居してしまいました。飯田高遠堂は、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような素晴らしい刀剣商です。

しかし、刀剣選びとは、そんなに甘~く、たやすいものではありません。実は、刀剣のほうが持つ人を選ぶと言われているのです!

この話をはじめて聞いたとき、すぐにはピンと来ませんでした。しかし、いざ刀剣を本気で欲しいと思うようになると、結構怖い話なんです。なぜならば、欲しいと思っても、全然めぐり会えない、買えないのですから!

自分の目で観て良い刀剣だなと思うと、先約されていたり、売り物ではなかったりするのです。 飯田高遠堂のスゴイ刀剣との出会いの数々に大興奮。しかし、観て良いなと思った飯田高遠堂の価格帯は、予算超えの2,000万円!

「まだお前には買う資格がない」、「もっと頑張れ」と言われているようで、今回購入には及びませんでした。とほほほ。

飯田氏:「人間の第六感は思いのほか鋭いものです。これだ、と感じることのできた出会いを大事になさって下さい。店頭に展示されている以外にも、多くの作品が毎日のように当店を出入りしております。どうぞお気軽にお探しの作品、お好みの作風についてお問合せ下さい。精一杯、お好みの作品に出会うためのお手伝いをさせて頂きます。」

こうして実際にお話をうかがってみて、自分の手持ちの刀剣は、この店でいくらと評価されるのか確かめたい。最終的にこのお店にある本物中の本物の、刀剣オーナーになりたいと思ってしまいました。

刀剣の魅力に取り憑かれた人が、最終的に飯田高遠堂に足を運んでしまうのは、これが理由なのでしょう。

飯田慶雄氏は、刀剣の伝統文化を楽しく学ぶ「鉄芸」(てつげい)も主催。「刀剣乱舞」ともコラボレーションし、「石田四郎國嘉」復元「三日月宗近」復元プロジェクトに携わるなど、活躍の幅を広げています。

5代目店主・飯田慶雄氏が営む飯田高遠堂に、ぜひ訪れてみてはいかがでしょう。

【関連サイト】
豊臣秀吉 宮入行平 三日月宗近 刀剣 マナー
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