124_今さら聞けない!日本刀の種類とは?サムネ

日本刀を博物館などに観に行くと、長さや姿がかなり違うと気付きませんか?

一括りに「日本刀」と言っても、実は1種類ではなく、いくつもの種類があるのです。「太刀」(たち)、「打刀」(うちがたな)、「脇差」(わきざし)、「短刀」(たんとう)など、今さら聞けない特徴と違いについて詳しくご紹介します。

有名武将が持っていた日本刀とは?

124_髭切/鬼切

髭切/鬼切

皆さんは、「日本刀」とは1種類ではなく、いくつか種類があることをご存知でしょうか。

例えば、鎌倉幕府初代将軍・源頼朝の愛刀「髭切/鬼切」は、太刀(たち)。独眼竜の戦国武将伊達政宗の愛刀「池田正宗」は打刀(うちがたな)。織田信長の愛刀「薬研藤四郎」は短刀(たんとう)です。

武蔵坊弁慶が愛用していた「岩融」(いわとおし)は薙刀(なぎなた)で、黒田官兵衛の家臣・母里友信(もりとものぶ)が振り回していた「日本号」は(やり)。形も長さも異なるけれど、これらはすべてが日本刀なのです。

こう言われると、日本刀は種類がありすぎて、もう何が何だか分からないとなるかもしれません。しかし、要するに日本刀とは、「日本国内で作られた刀剣の総称」なのです。

なぜそんなに種類があるの?

日本刀の種類は大きく分けると7つあり、①直刀(ちょくとう)、②太刀、③薙刀(なぎなた)、④短刀、⑤打刀、⑥脇差、⑦槍(やり)です。

なぜそんなに種類があるのかと言うと、それだけ日本の歴史が長いから。この長い歴史の中で、戦闘様式が様々に変化し、それに伴い日本刀が進化しました。※8種類目として剣(つるぎ)が入る場合もあります。

日本刀の中で、いちばん古いのが平安時代以前にあった直刀です。直刀とは、日本国内で鍛造された、反りのないまっすぐな日本刀のこと。聖徳太子は、「七星剣」(しちせいけん)という直刀を所持していたと伝えられています。

124_直刀

直刀

次に古いのが太刀。太刀とは、平安時代後期に誕生した「鎬造り」(しのぎづくり)で、反りがある弯刀(わんとう)のことです。それまであった直刀は、「突き刺す」ことを主目的としていましたが、太刀は反りが付いたことによって、馬上で片手でも抜刀しやすくなり、「断ち切る」ことが可能になりました。刃を下に向けて、腰につり下げて佩用します。太刀は室町時代初期まで作られ、特に南北朝時代には刃長が長大化しています。

同時に、薙刀も平安時代に登場。薙刀は長い柄の先に反りが付いた刃を付けた武器のことですが、南北朝時代には合戦の主力武器となりました。薙刀は振り回して薙ぎ切って使うのが特徴です。

その次に古いのは、短刀。短刀が誕生したのは鎌倉時代です。長い武器では接近戦で使いにくいため、補助的に使われ始め、「刺刀」(さすが)と呼ばれました。鎌倉時代末期には「鎧通し」(よろいどおし)という鎧の隙間から刺突するための短刀が用いられ、「懐剣・懐刀」、「寸延短刀」へと進化。現在の法律では、刃長が30㎝に満たない物のことを言います。

いちばん新しいタイプが打刀。打刀は太刀よりも刃長が短くて、軽いのが特徴です。室町時代初期に誕生し、室町時代後期には主流となりました。その理由は、戦闘様式がそれまでの個人での馬上戦から集団での徒戦(かちいくさ:歩兵による戦い)に変わったから。打刀は刃を上にして帯に差して携帯するため、抜いたままの姿勢で敵を斬ることができ、とても便利になりました。

また、太刀の名刀を磨上げて(の長さを短く切ること)打刀にすることも流行し、打刀は明治時代初期まで実戦で使用されていたのです。

124_打刀

打刀

なお脇差は、室町時代以降に登場。打刀や太刀に添えて使用する2本目の刀剣として使用されるようになりました。江戸時代に定められた「大小」の小のことで、30㎝から60㎝未満の物を言います。

槍も、室町時代後期に登場。集団による徒歩戦が行なわれるようになり、薙ぎ払う武器よりも、突き刺して攻撃する槍の方が効果的であったため、合戦の主役に躍り出ました。

日本刀の種類に関する基礎知識をご紹介します。

歴史年代から日本刀の種類を読み取ろう

124_今さら聞けない!日本刀の種類とは?

日本刀には7つもの種類があります。確かに多いと言えますが、それはやみくもに多いのではなく、時代ごとに必要に応じて変化していったのです。

歴史年代から考えて、平安時代に作られているから平家伝来の宝刀「小烏丸」は太刀であり、鎌倉時代に作られているから北条時政の愛刀「鬼丸国綱」も太刀、戦国時代だから織田信長の「へし切長谷部」は打刀、と何となく判断できるようになれば、大したものです。

難しいのは、太刀と打刀が入り交ざる室町時代以降。持つ人の好みによって、元々は太刀だったのを磨上げて打刀にした物もあれば、江戸時代なのに鎌倉時代の姿に憧れて作られた太刀があるなど、複雑です。

そんな場合は、豊臣秀吉の愛刀「一期一振」や徳川家康の愛刀「ソハヤノツルギ」は太刀、豊臣秀頼の愛刀「鯰尾藤四郎」は薙刀を直した脇差など、イレギュラーの日本刀を先に覚えてしまうのが良いかもしれません。

さらに、本多忠勝の愛刀「蜻蛉切」は大槍。
新選組副長・土方歳三の愛刀「堀川国広」は脇差なども覚えてしまうと良いでしょう。

日本刀の種類を把握すれば、日本の歴史もよく分かるようになり、日本刀の鑑賞をもっと楽しむことができるはず。まずは、好きな武将が所持する日本刀の種類を調べてみてはいかがでしょうか。

「鬼丸国綱」に関する基礎知識をご紹介します。

刀工「堀川国広」に関する基礎知識をご紹介します。

【関連サイト】
日本刀の種類 源頼朝 伊達政宗 織田信長 黒田官兵衛 豊臣秀吉 徳川家康 豊臣秀頼 本多忠勝 土方歳三 聖徳太子 堀川国広 鬼丸国綱 日本号 蜻蛉切
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