102_侍みたいにかっこよく!親子で楽しむチャンバラ

刀剣で切り合うことを真似た遊びである「チャンバラ」。子どもはもちろん大人の方も、一度は遊んだことがあるのではないでしょうか。昨今の刀剣ブームにより、このチャンバラを親子で気軽に楽しめるイベントが全国各地で行なわれており、非常に人気を集めているのです。

ここでは、代表的なチャンバライベントをご紹介すると共に、知っているようで知らないチャンバラの詳細についても解説します。

チャンバラの起源とその歴史

「チャンバラ」の語源は、刀剣で切り合う音を表現した「ちゃんちゃんばらばら」の擬音を略した言葉。

新聞紙やダンボールなどで作った刀剣を用いて、子ども同士で遊ぶのもチャンバラですが、もともとは1920年代以降、日本の時代劇の映画にいわゆる「大殺陣」(おおたて:映画や演劇などで、派手に切り合ったり乱闘したりする演技)の要素が加えられた「チャンバラ映画」の呼称として用いられていました。

このチャンバラ映画は、同じく1920年代に流行した「サイレント映画」(無声映画)の流行に伴ってその隆盛を極め、1930年代頃に「トーキー」(発声映画)が出現した一方で、「極東映画」(きょくとうえいが)などの映画会社がサイレント映画を作り続けていく中で、さらに量産されるようになっていったのです。

そんな背景もあり、当時の子ども達は映画に出てくるチャンバラシーンを真似て、日本刀を模したおもちゃで互いに打ち合う遊びを行なう ようになります。

102_子どもの「ごっこ遊び」

子どもの「ごっこ遊び」

もちろん、このような「ごっこ遊び」はそれ以前にも見られていましたが、チャンバラ映画の人気により、劇中に登場する俳優になりきりたい子ども達が盛んに遊ぶようになり、いつしかその遊び自体をチャンバラと呼ぶようになったのです。

現代のように、玩具や遊び道具などが十分になかった時代に、特に難しいルールもなく、身の回りにある物を工夫して使うことで手軽に遊べるチャンバラは、チャンバラ映画が流行の終焉を迎える1960年代頃まで大勢の子ども達が熱中していた遊びでした。

しかし、特撮ヒーローやロボットなど、時代劇に取って代わる題材のアニメやゲームなどの出現により、ごっこ遊びのひとつであるチャンバラは徐々に衰退していきます。

ですがそんな中でも、武士のようにカッコ良く、刀剣を交えて戦いたいという願望は、子どもはいつの時代でも持つもの。

さらには、昨今の刀剣や戦国武将ブームにより、大人のあいだでも童心に返ってチャンバラを楽しみたいと言う人が増え、現在では、子どもから大人まで楽しめるチャンバラのイベントが開催されるようになったのです。

親子で楽しむチャンバラその1 チャンバラ合戦 -戦 IKUSA-

102_チャンバラ合戦

チャンバラ合戦

家の中で遊ぶことが多くなった現代の日本の子ども達に、外遊びの楽しさを知ってもらいたい、そして再び日本の文化として伝えていきたい。そんな想いから開催されるようになったチャンバライベントが、「チャンバラ合戦 -戦 IKUSA- 」

このイベントでは、子どもはもちろん、年齢や性別、国籍などを問わず誰でも参加できるように、軽くて安全なスポンジ製の刀剣を使用。ルールも非常に簡単で、利き腕に持った刀剣を用いて、その反対側の腕に装着した「命」である相手のカラーボールを打ち落とすことのみ。

また、このイベントの最大の特徴は、戦国時代の合戦さながらに、大人数の参加者が2つ以上の軍(チーム)に分かれて戦うこと。自軍を勝利に導くため、仲間達との「軍議」、すわなち作戦会議で戦略を練って戦い方を決めて、本番のチャンバラ合戦に臨みます。

基本となる試合形式は、敵軍を全滅、または制限時間内に相手の命を多く打ち落としたチームの勝利となる「全滅戦」。この試合形式において、勝利の鍵を握るのは、効率的な作戦を立てるだけでなく、それを実行するためのチームワーク。このイベントは、世代も言葉も超えて、様々な人達と交流ができる「遊び」でもあるのです。

全滅戦の他にも、敵軍の大将を狙い、その命を打ち落としたほうが勝利となる「大将戦」や、自分以外の参加者が全員敵となって戦う、個人戦の「バトルロイヤル」もあります。

このチャンバラ合戦は、2011年(平成23年)の誕生から20都道府県以上での開催実績があり、お祭りなど様々なイベントとのコラボもしていますので、お近くで催されるときには、ぜひ親子で参加してみましょう。

普段出会うことのないような参加者と感動を共有することは、子ども達にとって、かけがえのない思い出になること間違いなしです。

親子で楽しむチャンバラその2 スポーツチャンバラ

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チャンバラ

親子で楽しめるチャンバラとしてもうひとつオススメしたいのが、「スポチャン」の略称で知られる「スポーツチャンバラ」

スポーツチャンバラは、1971年(昭和46年)に、「田邊哲人」(たなべてつんど)氏によって創始された競技です。

スポーツチャンバラは、日本で古くから遊びとして子ども達に親しまれてきたチャンバラと、田邊哲人氏が考案し、指導を行なってきた「小太刀護身道」(こだちごしんどう)と呼ばれる武道をもとに作られました。小太刀護身道は、田邊哲人氏が経営していた警備会社におけるガードマン教育の訓練の中で編み出された武道です。

基本となるルールは、相手の体のどこかを、十分な威力をもって刀剣で打つこと。つまりスポーツチャンバラは、相手を打つことばかりに集中するのではなく、いかに自分の体が打たれないようにするかについても、注意する必要があるのです。

スポーツチャンバラに用いられる道具は、面と剣、そして盾の3種類。スポーツチャンバラは、実は国際的な大会が行なわれるほど、日本全国だけでなく、世界にまで広がりを見せている競技。

現在はいろいろな場所で、小学生でも参加できるスポーツチャンバラの教室や道場が開かれています。そのため、安全性と公平性を保てるように、刀剣については空気を入れた「エアーソフト剣」を全世界共通で使用。

スポーツチャンバラの剣は、歴史ある日本の刀剣と同じく「短刀」や「」、「小太刀」など、いくつかの種類があり、競技者の好きな刀剣(=得物[えもの])を選ぶことが可能です。スポーツチャンバラの試合は、この得物の種類ごとに種目が分かれていることが、その特徴のひとつなのです。

これに加えて、どの得物でも参加することができる「異種の部」もあり、開催される大会の規模によって数に上限はありますが、基本的には自分の好きな種目に参加することができます。

また、面に用いられている素材は透明のアクリル。耳や目などを衝撃から保護する作りになっているため、子どもが参加する場合でも安心です。

さらにスポーツチャンバラは、チャンバラごっこの遊びの要素はあっても、小太刀護身道がもとになっている競技。競技中のルールについては自由度が高いですが、他の武道と同じように礼節を重んじています。そのためスポーツチャンバラは、子ども達にとって、健康的に楽しみながら礼儀を学ぶことができるスポーツだと言えるのです。

「武士のようにかっこ良く刀剣を振り回してみたい!」そんな子どもの願いを叶えてくれるチャンバラ。そしてそんな願いを、まだ密かに持っている親御さんも多いはず。

今回ご紹介したイベントや教室、大会などに親子で参加して、お子さんと一緒に童心に返ってみてはいかがでしょうか。