147_公益財団法人日本刀文化振興協会とは?

日本の誇る文化・芸術のひとつである日本刀は、その美術的価値を世界中から評価されています。またその評価は、文化遺産として古来、保存されてきた刀剣だけに留まってはいません。現代においても現代刀匠による現代刀の作品が、新たに作刀され続けているからです。 公益財団法人日本刀文化振興協会では、日本刀文化を広く普及させるとともに、過去より紡がれてきた作刀技術を未来へとつなげていくための活動を行なっています。

公益財団法人日本刀文化振興協会とは

公益財団法人日本刀文化振興協会とは、どのような団体なのでしょうか。その歴史と活動内容についてご紹介します。

公益財団法人日本刀文化振興協会の歴史

始まりは、2008年(平成20年)12月、一般財団法人日本刀文化振興協会が設立されたことによります。

2009年(平成21年)12月には、内閣総理大臣より公益財団法人の認定を受け、公益財団法人日本刀文化振興協会となりました。

日本刀の良き伝統と文化を継承しつつ、併せて時代に適応する日本刀の新しい価値を創造すべく、刀職技術の伝承、及び日本刀文化の普及を行なっています。

刀剣・甲冑に関連する組織団体をご紹介します。

公益財団法人日本刀文化振興協会の活動内容

日本刀文化と伝統を未来へとつなぐために、公益財団法人日本刀文化振興協会では様々な活動を行なっています。

刀鍛冶を目指している方や興味を持っている方に向けて、実際の修行がどのようなものなのか体験できる刀鍛冶体験入門の実施や、教育機関や自治体などの施設や各種イベントにて、日本刀に関する講座開催のサポートなどを行なっています。

日本刀のプロフェッショナルとして、日本刀の修理や保存の相談受付の他、日本刀をテーマとする催物についての企画を実施するなど、日本刀文化の普及に努めているのです。

公益財団法人日本刀文化振興協会への入会方法

公益財団法人日本刀文化振興協会への入会は、まずは協会の定める会員規程を確認のうえ、入会申込書の送付、及び会費の入金などをもって入会手続きが開始されます。入会すると協会より会員証が送られます。

会員の種別及び会費は以下の通りです。

  • 正会員[個人・年額]:5,000円
  • 正会員(職方)[個人・年額]:12,000円
  • 法人会員[団体・年額]:15,000円
  • 特別正会員[個人・10年]:50,000円以上の金員もしくは物品等
  • 特別正会員(職方)[個人・10年]:120,000円以上の金員もしくは物品等
  • 特別法人会員[団体・10年]:150,000円以上の金員もしくは物品等

公益財団法人日本刀文化振興協会で日本刀名匠に認定されるには?

公益財団法人日本刀文化振興協会では優れた刀職者に対して、「日本刀名匠」の認定を行なっています。

公益財団法人日本刀文化振興協会の日本刀名匠とは

147_日本刀名匠

日本刀名匠

公益財団法人日本刀文化振興協会では、日本刀の文化振興の一環として、作刀にかかわる刀職者のうち卓越した技術を持った方を認定する活動を行なっています。

これにより、刀職者として審査員を務める域に達している方や、技術が卓越しており展覧会としては審査対象外としても申し分のない技量である方々に対して、当代においてトップクラスの刀職者であるという証明となる日本刀名匠とする認定制度が制定されました。

これは「現代版刀職者マイスター」とも言える名工認定の位置付けとなります。

なお、日本刀名匠の各分野は以下の通りです。

  • 日本刀名匠(作刀)
  • 日本刀名匠(刀身彫刻)
  • 日本刀名匠(研磨
  • 日本刀名匠(刀装具:・小道具)
  • 日本刀名匠(白銀)
  • 日本刀名匠(:白鞘・拵下地・
  • 日本刀名匠(柄巻)
  • 日本刀名匠(鞘塗)

「刀匠」をはじめ、日本刀に関する基礎知識をご紹介します。

「研師」をはじめ、日本刀に関する基礎知識をご紹介します。

「彫師」をはじめ、日本刀に関する基礎知識をご紹介します。

「白銀師」をはじめ、日本刀に関する基礎知識をご紹介します。

「鞘師」をはじめ、日本刀に関する基礎知識をご紹介します。

「塗師」をはじめ、日本刀に関する基礎知識をご紹介します。

「柄巻師」をはじめ、日本刀に関する基礎知識をご紹介します。

「金工師・鍔工師」をはじめ、日本刀に関する基礎知識をご紹介します。

公益財団法人日本刀文化振興協会の日本刀名匠の認定規定・基準

日本刀名匠は、12条からなる認定規定と6つの認定基準によって認定されます。

認定基準には、「協会が主催する刀職者技術展覧会において特賞以上を8回受賞し、他の者の手本となる技量・品格・知識が認められた協会会員である者」とあることから、作刀において非常に優れた功績を残した方が対象になるのです。

公益財団法人日本刀文化振興協会の新作日本刀証明証

日本刀の世界では、古刀新刀に対して関係団体が発行する「認定書・鑑定書」を付与することにより、経済的価値や美術的価値のある作品として認められてきた歴史があります。

しかし現代の刀職者が作刀した現代刀においては、認定書・鑑定書に該当する制度が存在していませんでした。

こうした背景を受けて、公益財団法人日本刀文化振興協会では、新たに作成された日本刀に対し「新作日本刀証明証」を発行しています。

「古刀」をはじめ、日本刀に関する基礎知識をご紹介します。

「新刀」をはじめ、日本刀に関する基礎知識をご紹介します。

「現代刀」をはじめ、日本刀に関する基礎知識をご紹介します。

公益財団法人日本刀文化振興協会の新作日本刀証明証を取得するメリット

現代作家の作品には、公的な機関からの認定書・鑑定書のような物は発行されておらず、残念ながら「偽物」が流通してしまっているのが現状です。

公益財団法人日本刀文化振興協会では、2018年(平成30年)12月より、現代刀を作刀している作家の作品価値の保護、及び刀剣界全体の信頼性への担保を図るために、現代刀作家が作刀した作品が正真であることの証明として新作日本刀証明証を発行する活動がはじまりました。

この証明証は日本国内だけではなく、海外の刀剣ファンのために、英語表記も記載されています。

公益財団法人日本刀文化振興協会の新作日本刀証明証発行の流れ

新作日本刀証明書発行はどのように行なわれているのか、その流れを見てみましょう。

公益財団法人日本刀文化振興協会では現代作家の方に作家登録をしてもらい、その方が作刀した刀剣に対し証明証を発行します。作家登録をすることにより、現時点の作品だけでなく将来に亘って登録された現代作家の作品のデータが協会に登録・蓄積されてゆく仕組みです。

証明書発行を希望する場合は、対象となる刀剣を協会で預かり、作品の詳細な各種測定を実施します。そのデータをもとに、協会より新作日本刀証明証が新規に発行されるのです。

発行された証明書は登録後、専用ケースに入れて渡してもらえます。証明証発行料は、1振につき30,000円+税です。

将来、照会が必要となった場合は、新規発行と同様に照会する現代刀の現物データを取ります。その刀剣の証明証に記載されている事柄以外の詳細データを比較確認したうえでの照会回答となります。照会料は1振につき20,000円+税です。

公益財団法人日本刀文化振興協会が取り組む日本刀の保存

公益財団法人日本刀文化振興協会では、歴史的・美術的価値のある日本刀の保存に力を入れており、それは博物館などに収蔵されている文化遺産的価値のある物にとどまらず、一般の方からの修理依頼や相談も受け付けています。

日本刀の研磨・修復依頼の受付

日本刀の研磨・白鞘・(はばき:刀身のもとの部分に付く金具)・外装の修復など、日本刀に関するすべての部分についての依頼を受け付けています。

日本刀は比較的錆びにくい鉄であるため、何百年もの間保存可能ですが、錆が一旦発生すると針の穴のように食い込み時間の経過とともに深くなってしまいます。そのため、日本刀の美術的価値・経済的価値を低下させることのないよう適切な処置が必要となるのです。

公益財団法人日本刀文化振興協会では、豊富な実績を有する協会役員・会員による誠実かつ確実な仕事を提供しています。また、質問や問合せについても各分野の専門家が相談に応じてくれるのです。

日本刀の研磨・修復の流れ

53_研師

日本刀の研磨

錆びてしまった刀身がどのように修復されるのか、その流れを見てみましょう。日本刀を日常的に帯刀していた時代においては、刀身は外装(漆塗りの鞘と糸巻きの柄など)に入った状態で保存されていました。

帯刀することのない現代においては、刀身を錆びさせないように、刀身を白鞘と呼ばれる朴(ほお)の木の鞘に収めたうえで桐の箱や刀箪笥等に保存し、外装については刀身の形をした朴の木でできている「つなぎ」を入れ、床の間などに飾るようになっています。

刀身が錆びてしまった場合は、錆の除去及び成型し直したのち、新しく白鞘を制作します。そのあと、仕上げの研磨をしてから保存するというのが現在の保存方法です。

白鞘は、それぞれの刀身の状態に合わせてきちんとあつらえて作る必要がある物です。錆びた状態のまま白鞘を作ってしまうと、鞘の内側に錆が付着し、それが新たな錆の原因になったり、研磨をすることでその刀身と鞘が合わなくなったりします。

よって作業の流れとしては、まず刀身の下地研ぎ(錆の除去及び成型)・運び研ぎ(中目の砥石まで進んだ状態)を行なったあと、必要に応じて鎺(ハバキ)を制作。成形し直した刀身に合わせて白鞘を制作し、刀身を仕上げまで研いでから白鞘に収めて保存するという順番になります。

公益財団法人日本刀文化振興協会主催の展覧会&催物

147_日本刀

過去に開催された公益財団法人日本刀文化振興協会が主催する展覧会、及び催物をご紹介します。

日本刀の鑑賞会

2019年(平成31年)4月には、第24回となる「日本刀・刀装具公開鑑賞会」が開催されました。

日本刀は刃文の違いについて、刀装具は作風の変化を中心に鑑賞・解説が行なわれ、初心者の方にも分かりやすい内容になっており、愛好者や刀職者だけでなく、一般参加者にも楽しめる鑑賞会となりました。

刀職者向けの実技研修

公益財団法人日本刀文化振興協会では、日本刀にかかわる職方の技能継承、及び職人として自立できる次代の人材育成を目的とし、刀職者向けの実技研修会を開催しています。

この研修会は、進行に支障のない範囲で一般公開しており、同時に日本刀文化の普及機会もかねた研修会となっているのです。

日本刀の技術展覧会

公益目的事業として「新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」を開催しています。この展覧会は優れた作品を顕彰するコンクールと併せての開催。現代において培われたその技術や成果を広く展示公開しています。

また、日本刀に関する特別展示企画なども同時開催しており、刀職者や愛好者だけでなく、刀剣に興味を持っている一般の方にも楽しめる内容となっています。

まとめ

公益財団法人日本刀文化振興協会では、日本刀に関する文化の普及、及び刀職技術の継承を目的とする様々な事業活動を行なっています。

その活動範囲は、刀職者だけでなく一般の方も対象となっており、日本刀文化に興味を持ち、触れる機会を探している方向けの展示会や公開研修会などに現れているのです。

公益財団法人日本刀文化振興協会の活動詳細や、展覧会などのイベントスケジュールについては公式ホームページをご参照下さい。

【公益財団法人日本刀文化振興協会】

https://nbsk-jp.org/
【関連サイト】
公益財団法人日本刀文化振興協会 日本刀の研磨 研師 鞘師
刀剣・甲冑の関連組織
刀剣・甲冑に関連する組織団体をご紹介します。