169_佐野美術館は歴女や刀剣好きの方必見!

静岡県三島市には、佐野と名の付く施設がいくつも存在します。これらの多くは、三島市出身で化学工業界に多大なる貢献をした佐野隆一氏により寄贈された施設です。1966年(昭和41年)に佐野隆一氏は、両親へ贈った広大な日本庭園の一角に三島市初となる美術館を建てました。これが「佐野美術館」の始まりとなり、現在も収蔵品の中心となる刀剣や絵本の原画の展覧会などを定期的に開催し、多くの方が来館しています。

佐野美術館とは

公益財団法人である「佐野美術館」は、刀剣、人形、絵画、絵本などを中心に、多数の収蔵品を誇る静岡県三島市の美術館。

常設展示や展覧会及び、それらに付随するイベントの他、近隣の学校へ出張授業を行うなど、芸術教育の普及活動に注力しています。

刀剣展示をしている博物館・美術館についてご紹介!
佐野美術館に刀剣を観に行こう!
刀剣・日本刀や陶磁器、仏像、装身具など、様々な美術品を収蔵する「佐野美術館」の魅力に迫ります。
佐野美術館の施設情報や口コミ、投稿写真、投稿動画をご紹介します。
静岡県の施設情報や口コミ、投稿写真、投稿動画をご紹介します。
三島市の施設情報や口コミ、投稿写真、投稿動画をご紹介します。

佐野美術館の魅力

佐野美術館は、刀剣に興味を持って訪れる来館者へ向けて、いかに展示品を美しく見せるかという点に主眼を置いています。

モダニズムの巨匠が手掛けた設計

佐野美術館の建築設計を手掛けたのは、帝国議会議事堂(現在の国会議事堂)の建築にたずさわっていた大熊喜邦氏の子息でもある「大熊喜英」(おおくまよしひで)氏。

大熊喜英氏は、戦後復興期に、大熊スタイルと呼ばれる「日本的な住宅」の原型を作り上げた建築家です。19世紀の近代西洋文化の中で発達したモダニズム建築に、日本古民家が持つ温もりを落とし込んだ手法が高く評価されました。

そんな佐野美術館は、合理性や機能性を追求した、モダニズム建築の特徴が良く表れている建築物です。直線的な造形表現のなかに、日本の城郭をモチーフとした和の佇まいを感じることができます。

女性と刀剣展示をコンセプトにしたリニューアル

2013年(平成25年)には、美術館のリニューアルが行われ、常設展示室が設置されました。このリニューアルは、国宝重要文化財の公開展示化を目的として行われています。

通常、国宝や重要文化財を展示するには、その都度、文化庁長官の許認可が必要。しかし、文化財公開活用の観点から、あらかじめ公開に適した施設として文化庁長官の承認を受けている場合は、事後の届け出のみで展示することが可能であると法律で定められています。

佐野美術館は、リニューアルによって公開承認施設となり、貴重な刀剣類を、事後の届け出のみで展示することが可能となったのです。

リニューアルを担当したのは、「長谷川逸子・建築計画工房」。男性優位と言われる建築設計業界において、女性でありながら目覚ましい躍進を遂げた建築家です。

このリニューアルのもうひとつのコンセプトが、女性やシニアが訪れやすい美術館にすること。清潔感のある白を基調としてリニューアルされた館内は、採光性も高く開放感に溢れていて、女性でも気軽に足を運ぶことができる雰囲気となっています。

創立者・佐野隆一氏が収集した多彩な古美術品

佐野美術館にある多くの収蔵品は、創立者である「佐野隆一」(さのりゅういち)氏の収集品で、茶器や仏像、浮世絵などの多彩なコレクションを観ることができます。日本の美術品を中心にして様々なジャンルが収集されており、その数はなんと約2,500点にも及んでいます。

生涯に亘って収集されたそれらの膨大なコレクションの中でも、特に刀剣の数の割合が非常に多いことが佐野美術館の特徴のひとつです。

佐野隆一氏は刀剣を収集する際に、自身の既存コレクションを分類することからはじめ、それぞれ「刀剣の種類」、「作刀された時代」、「刀匠の流派」ごとに分けていたとされています。

そして新たなコレクションを増やすときは、これまでの収集品と比べて自分が持っていない分野の刀剣を積極的に探して収集していったのです。

こうして佐野隆一氏のコレクションは、刀剣類の中でも幅広いジャンルの名品が集まることになりました。現在の佐野美術館の展示においても、その長所は発揮されており、個人美術館であるのにもかかわらず、多彩なコレクションを観覧することができるのです。

こうした美術館の成り立ちを受けて、佐野美術館では、刀剣の常設展示や展覧会などが幾度も開催されています。実際に刀剣に触れることのできるイベントなどもあり、刀剣をより身近に感じることができる美術館です。

また、観覧で疲れた足を休めることができるよう、施設内にはレストランや喫茶店も備えているので、美術館を訪れた方に嬉しい施設となっています。

佐野美術館の見どころ

佐野美術館の見どころは、なんと言ってもその収蔵品の中心となる刀剣でしょう。また、美しい日本庭園での散策も他ではなかなか味わえない楽しみです。

収蔵品の大半が刀剣

佐野美術館の収蔵品の中心となっている刀剣は、創立者である佐野隆一氏の収集品以外に寄贈・寄託された物も多くあり、その中には徳川四天王として有名な「本多忠勝」が愛用していた天下三名槍のうちのひとつ「蜻蛉切」や、国宝でもある「長光の薙刀」も含まれています。

佐野隆一氏自身のコレクション品のなかで特筆すべき名刀を見てみると、とりわけ「刀 朱銘 義弘 本阿(花押)名物 松井江」が注目すべき逸品となります。

作者の郷義弘は、「正宗十哲」と呼ばれる名刀匠の弟子の中でも優秀な10人の内のひとり。「五郎入道正宗」、「粟田口吉光」と共に、天下の3名工に数えられる相州伝の刀匠でもあります。

また郷義弘は大江氏の家系であるとされたことから、「郷」は「江」の字に置き換えられることもあります。

郷義弘の刀剣は自作にを切らないことを特徴としており、室町時代から刀剣の専門家として有名であった本阿弥家が認定した刀剣しか、郷義弘の作品として認められることがありません。

国宝や重要文化財に指定された作品も多く、現在では最も入手困難な刀匠のひとりであるとされています。

佐野美術館が有する「名物 松井江」は、肥後藩家老であった松井家が元々所有していたことに因んで名付けられた刀剣。徳川将軍家に渡ったあと、紀州徳川家に嫁ぐ鶴姫の引き出物として鑑定がなされた折に、郷義弘作であると認められ、その号が名付けられました。

郷義弘の作と認められている刀剣は、数がとても少なくどれも貴重な品です。佐野美術館所蔵の名物 松井江も、国の重要文化財に指定されています。

そしてなんと言っても刀剣ファンであれば一度は観てみたいと思うのが、天下三名槍のひとつ、名物 蜻蛉切。徳川四天王のひとりで、歴女にもファンの多い本多忠勝の愛槍としても有名です。

蜻蛉切の名称は、穂先に留った蜻蛉が真っ二つになってしまうほどの切れ味を誇ったことが由来。また主君である「徳川家康」から「日本切」への改名を薦められたとき、「日本」では恐れ多いとして、蜻蛉の古語である「あきつ」が日本列島を指し示す「あきつしま」にも通じることから、蜻蛉切という名称を選んだというエピソードもあります。

蜻蛉切は、沼津市の実業家であり、美術品収集家でもある「矢部利雄」氏個人蔵の名品なのですが、佐野美術館への寄託が行われていることから、今後も同美術館においての展示観覧機会が訪れることが期待できるでしょう。

本多忠勝ファンの歴女はもちろん、刀剣ファンにとっても貴重な機会となるので、今後も佐野美術館の特別展示企画は見逃すことができません。

169_蜻蛉切
蜻蛉切
本多忠勝のエピソードや関係する人物、戦い(合戦)をご紹介します。
徳川家康のエピソードや関係する人物、戦い(合戦)をご紹介します。
本多忠勝のエピソードや、関連のある刀剣・日本刀をご紹介します。
徳川家康のエピソードや、関連のある刀剣・日本刀をご紹介します。
刀工「郷義弘」の情報と、作刀した刀剣をご紹介します。
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日本刀の歴史に名を残した、数々の名工をご紹介します。
蜻蛉切
様々な「名刀」と謳われる刀剣を検索できます。
「天下三名槍」と呼ばれる、槍の中でも特に名槍と誉れの高い3振をご紹介します。

不定期で開催されるイベントも刀剣関係が多数

定期開催されている展覧会の他、不定期でイベントも開催されていますが、その内容も刀剣にかかわる催しが多いことも佐野美術館の特徴のひとつです。

館長による説明を交えながら、名刀の鑑賞ポイントや「」の構造などをスライドショーでレクチャーしてくれたり、実際に刀剣を手に持つことができたりするなど、刀剣ファンなら垂涎のイベントが盛りだくさんです。

何度行っても楽しめる!

佐野美術館の敷地面積は、公立の施設と比べるとそこまで大きくはありませんが、その規模に比して十二分な収蔵品がコレクションされています。そのため、一度ですべての収蔵品を観ることは難しいかもしれません。

しかし展示物の入れ替えが年に数度は行われているため、足を運ぶたびに観たことのない収蔵品と出会うことができ、何度でも楽しめます。

ミュージアムショップには歴女必見のグッズが!

佐野美術館のミュージアムショップには、魅力的な商品が沢山並んでいます。特に貴重な刀剣のコレクションが自慢の佐野美術館であるだけに、歴女や刀剣ファンならぜひ持っておきたいグッズも勢揃い。「名物松井江トートバッグ」や「蜻蛉切ポスター」などの刀剣グッズから、女性に嬉しい三島梅花藻の花をデザインに落とし込んだアクセサリーやオリジナル和小物グッズまで、様々な種類が揃っています。

企画展ごとにテーマにちなんだ商品を入れ替えているため、何度でも訪れてみたくなる美術館ショップとなっています。過去の企画展で展示された品を紹介した図録なども販売されているので、気になる展示品を探すためにも購入してみてはいかがでしょうか。

心癒される日本庭園も必見

169_隆泉苑
隆泉苑

佐野美術館のもうひとつの見どころとなるのが、「隆泉苑」(りゅうせんえん)。苑内をぐるりと巡ることのできる池泉回遊式の日本庭園です。

御殿川に流れる富士山の清涼な湧水を引き込んで作られた庭園は、絶え間なく泉が湧き出る様子と、佐野隆一氏の名前から一字を取って隆泉苑と名付けられました。

三島市街の中心にあるのにもかかわらず、約2,000坪の敷地内に手入れの行き届いた樹木や四季折々の草花が並び、緑豊かな散策コースとしても親しまれています。

清流に生息する希少な植物・三島梅花藻

佐野美術館へと至る隆泉苑側の入り口の前には、佐野美術館の所有する池を利用して造られた環境施設「三島梅花藻の里」(みしまばいかものさと)があります。

三島梅花藻(ミシマバイカモ)は、梅の花に似た白く可憐な花を咲かせる多年生の水草。梅花藻は高地や寒冷な場所に生息しているのが一般的ですが、気候の穏やかな三島の地に育つ三島梅花藻は、大変希少な固有種です。富士山から湧き出る泉水の恵みで生息が可能になっているとされています。水質の汚濁に敏感な植物で、一時は絶滅も危惧されていました。

現在では、三島の原風景を取り戻す環境保全活動により、少しずつ復元されています。特に、市内でも豊かな清流が引き込まれている三島梅花藻の里では、市民ボランティアによる整備生育が進められ、ここで育った三島梅花藻は、他の河川へと移植されているのです。

登録文化財となった伝統的日本家屋と表門

隆泉苑では、典雅な和の趣を誇る庭園の他にも、門、家屋といった建築物が見どころとなっています。これらの建物は、佐野隆一氏が両親に隠居用にと贈った旧邸宅。

佐野隆一氏の死後、遺族によって美術館へと寄贈された建物は、国の登録有形文化財に指定されています。総平屋建てであるこの旧邸宅は、厳選した上質な材料によって造られた貴重な純和風近代住宅の典型的なモデル例です。

表門は、両袖塀付の意匠を凝らした四脚門となっていて、欅の一枚板から作られた門扉からは格調の高さを窺うことができます。

普段、隆泉苑の建物は一般公開されていないのですが、美術館主催のお茶会などのイベント会場として使用されることがあります。美術館を訪れる際は、イベントのスケジュールを確認して参加してみてはいかがでしょうか。

佐野美術館の近くにあるおすすめ飲食店

169_佐野美術館近くの飲食店

旅行や観光には欠かせない、佐野美術館の近くでお食事を楽しめるスポットをご紹介します。

お食事処松韻

お食事処松韻」(おしょくじどころしょういん)は、お店の敷地内に庭を設けた和食店です。2,500坪もある庭園には滝が作られ、せせらぎの音を聞いたり、手入れを欠かさない盆栽や庭木を眺めたりしながらのお食事が自慢となっています。

お食事処松韻の施設情報や口コミ、投稿写真、投稿動画をご紹介します。

三島イタリアンマリオパスタ

三島イタリアンマリオパスタ」は、とても優しい笑顔のオーナー夫妻が経営するイタリアンビュッフェレストランです。

メインディッシュを注文すれば、300円追加でサラダバー、ドリンクバー、パフェバーをビュッフェスタイルで自由に利用できるマリオパスタ。本格自家製パスタをアットホームな店内で心行くまで楽しんでもらいたいというオーナーの気持ちが表れています。

三島イタリアンマリオパスタの施設情報や口コミ、投稿写真、投稿動画をご紹介します。

味のなかむら

味のなかむら」は、昔ながらの地元の人気ラーメン店です。青ネギがたっぷり入った醤油ラーメンは、スープの濃さを好みに合わせて調整してもらえます。

昼時には満席になることが多いようなので、少し時間帯をずらして訪れるのがおすすめです。

味のなかむらの施設情報や口コミ、投稿写真、投稿動画をご紹介します。

佐野美術館近くのおすすめ宿泊施設(ホテル)

169_佐野美術館近くの宿泊施設

旅行や観光に便利な、佐野美術館にアクセスしやすいおすすめ宿泊施設(ホテル)をご紹介します。

ホテル昭明館

ホテル昭明館」(ほてるしょうめいかん)は、JR東海、伊豆箱根鉄道「三島駅」より、徒歩約2分の好立地にあるビジネス・観光ホテルです。

ウッドデッキテラスでの朝食ビュッフェでは地元の食材や水を活かした料理の数々を堪能でき、また最上階の客室には広めの窓を採用しているため、三島市の夜景を一望することが可能です。

ホテル昭明館の施設情報や口コミ、投稿写真、投稿動画をご紹介します。

ホテル・アルファーワン三島

ホテル・アルファーワン三島」は、三島駅前に位置するビジネスホテルです。おひとりでも宿泊しやすいシングルルームにはリラクゼーションタイプのお部屋もあり、日々の疲れを癒すとともに明日からの活力を与えてくれます。

ホテル・アルファーワン三島の施設情報や口コミ、投稿写真、投稿動画をご紹介します。

佐野美術館近くのおすすめ観光スポット

169_佐野美術館近くの観光スポット

佐野美術館へ行ったならぜひ一緒に回りたい、おすすめ観光スポットをご紹介します。

三嶋大社

三嶋大社」は奈良・平安の頃より続く、由緒ある神社です。三嶋神は東海随一の神格と考えられており、源頼朝が深く崇敬し源氏再興を祈願したことで有名な神社となっています。

三嶋大社の施設情報や口コミ、投稿写真、投稿動画をご紹介します。

三島夏まつり

三島夏祭り」は、三嶋大社で8月中旬に行われる三島市最大の催事です。迫力のある山車の引き回しと、テンポの良いしゃぎり(三島囃子)で夏の夜を盛り上げます。

三島夏まつりの施設情報や口コミ、投稿写真、投稿動画をご紹介します。

まとめ

刀剣を収蔵、展示している美術館や博物館は全国各地にありますが、その中でも佐野美術館は、質、量ともに一見の価値のある美術館と言えるのではないでしょうか。

刀剣ファンの方であれば貴重な刀剣に出会える機会となるはずですので、ぜひ佐野美術館に足を運んでみて下さい。

【関連サイト】
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