伝承 日本の刀剣展(大阪府) - 刀剣ワールド
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刀剣・日本刀を間近に観て、刀匠のトークも聞けるチャンス到来!「伝承 日本の刀剣展 平安から現代まで」が2019年4月17日(水)~22日(月)、大阪府の阪急うめだ本店9階・阪急うめだギャラリーにて開催されます。しかも、現代の刀匠が鍛えた作品を購入することもできるのです。刀剣・日本刀ファンとしては見逃せない、この展示会の詳しい内容を調べてみました。
キャッチコピーは「平安時代からの名刀と、新進気鋭の刀匠が、夢の競演。」

伝承 日本の刀剣展
展示は、第一部・第二部に分かれ、第一部では、「備前光忠」(びぜんみつただ)、「正宗」(まさむね)、「堀川国廣」(ほりかわくにひろ)など、平安時代から現代までの名刀30振が展示されます。
ただし、第一部の販売はないので、ご注意を。
第二部では、次代を担う新進気鋭の3刀匠、「川崎晶平」(かわさきあきひら)氏、「明珍宗裕」(みょうちんむねひろ)氏、「月山貞伸」(がっさんさだのぶ)氏の作品を紹介。
この3人のグループ展は初開催とのことで、大変レアな鑑賞機会と言えます。
今回の展示会では、それぞれが新作4振を出展。3刀匠による合作刀も制作され、川崎晶平刀匠が鍛え、明珍宗裕刀匠が焼入れ、そして月山貞伸刀匠が彫を施した、渾身の作と伝えられており、期待せずにはいられません。
ここでは、第一部・第二部で名前の挙がった刀匠のプロフィールを追っていきます。
第一部は歴史を感じさせてくれる名刀の展示
備前長船派の祖「備前光忠」
最も著名な刀工のひとり「正宗」
新刀初期の大勢力を興した「堀川国廣」
1531年(享禄4年)生まれ、1614年(慶長19年)没。山伏修行をしながら諸国を放浪して作刀を続け、1599年(慶長4年)ごろ京都一条堀川に定住。新刀初期の一大勢力「堀川派」の祖となります。

倶利伽羅龍 真行草三体
国廣の作風は、正宗をはじめとする相州伝に倣った表現が見られる他、志津(しず:現在の岐阜県海津市)風を醸し出した「湾れ」(のたれ)や「互の目」(ぐのめ)を焼き、良く付いた沸に、金筋や砂流しがかかるのが特徴です。
また、「不動明王」(ふどうみょうおう)や梵字(ぼんじ)などの刀身彫刻を得意としており、独自の技は弟子にも受け継がれました。
国廣ならではの彫物を目の当たりにしたら、その迫力に圧倒されるのではないでしょうか。
第二部は刀剣界を牽引する現代刀匠の作品を展示販売
1,000年後にも愛される作品を創る「川崎晶平」刀匠
1968年(昭和43年)生まれ。大分県大分市出身。明治大学卒業後、人間国宝の「宮入小左衛門行平」(みやいりこざえもんゆきひら)刀匠に入門。
修行を積んだのち2003年(平成15年)に独立。2017年(平成29年)には、日本刀文化振興協会「日本刀名匠」無審査に認定されました。
「1,000年後も愛される作品を創ること」、「他にまぎれない唯一の作であること」、「誰かを幸せにする作品であること」をモットーとして作刀に打ち込む川崎晶平刀匠。

守り刀
なかでも、丹念に磨き上げられた玉鋼(たまはがね)には魔を祓う力があるとされることから、刀剣・日本刀を「守り刀」として持つことを推奨しており、「お守り刀展覧会」で各賞を受賞、その後、審査員も務めています。2016年(平成28年)には、駐日ポーランド共和国大使にお守り刀を納めました。
今回の展示会で、川崎晶平刀匠の作品をお守り刀として購入できれば、それだけで幸運を手にしたことになると思います。
平安時代から続く甲冑師の家系を守る「明珍宗裕」刀匠
1974年(昭和49年)、兵庫県姫路市生まれ。明珍家は、その始祖を平安時代にまでさかのぼる甲冑師の家系であり、明珍宗裕刀匠の父、52代「明珍宗理」(みょうちんむねみち)氏は「明珍火箸風鈴」(みょうちんひばしふうりん)を創始した名工です。
明珍宗裕刀匠は、宝塚造形芸術大学卒業後、玉鋼の鍛錬技術を学ぶために「久保善博」(くぼよしひろ)刀匠に弟子入りしました。
2005年(平成17年)の独立以来、現代、そして次代の刀剣界を担う若き刀匠として活躍。「日本刀・刀職技術展覧会」で最高賞の経済産業大臣賞を3度受賞するなど、多くの賞を獲得する傍ら、展覧会やワークショップなどでも精力的な活動を行なっています。
今回制作された3刀匠合作刀では焼入れを担当。明珍宗裕刀匠単独の作品にも見られる独創的な「刃文」(はもん)が注目されます。
月山鍛冶の歴史と技術を受け継ぐ「月山貞伸」刀匠
1979年(昭和54年)、「月山貞利」(がっさんさだとし)刀匠の長男として奈良で誕生。子供の頃から祖父や父の作刀風景を見て育ち、京都産業大学入学と同時に父・貞利刀匠に入門します。
月山鍛冶は、鎌倉時代初期の「鬼王丸」(きおうまる/おにおうまる)を祖として、奥州月山(岩手県)の麓に栄えました。

綾杉肌
月山鍛冶の最も大きな特徴は、刀身全体に波のように現れる「綾杉肌」(あやすぎはだ)で、「月山肌」とも呼ばれています。
月山貞伸刀匠も伝来の綾杉肌の伝法を受け継ぎながら、相州伝をはじめとする各伝の技術を磨き、各種コンクールでも多数受賞。
最近では、アニメ作品とのコラボレーションや、刀剣鑑賞会などを積極的に試みることで、刀剣界の発展に寄与しています。
また、月山鍛冶としては、龍や御神仏、剣、梵字を刀身に彫刻した「月山彫」も有名。
今回の3刀匠合作刀では、月山貞伸刀匠は彫を担っており、こちらもじっくりと鑑賞したいですね。
展示・販売だけじゃない、ぜひ参加したいイベント
御刀相談会(無料)
日常的な手入れ方法は? 刀身が錆びているときはどうすれば良い?刀剣・日本刀に関する様々な疑問や相談に答えてもらえるそうです。このような機会はなかなかないので、参加してみましょう。
開催時間:会期中 10~18時
3刀匠ギャラリートーク(無料)
川崎晶平刀匠、明珍宗裕刀匠、月山貞伸刀匠によるギャラリートークが開催されます。
刀剣・日本刀の作り方から、今回出展作品に込められた想いまで、3刀匠が存分に語ってくれるこの機会。SNSなどでは分からない、刀匠の熱い心に直接触れられるチャンスを楽しみたいと思います。
開催日時:4月20日(土)・21日(日) 各日14時~(約30分)
刀匠によるプレート銘切り
本展の詳しい開催日時・場所はこちら
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4月17日(水)~22日(月)
日~木曜日:10~20時
金・土曜日:10~21時
※催し最終日は18時閉場 - 場所
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阪急うめだ本店9階 阪急うめだギャラリー
〒530-8350
大阪府大阪市北区角田町8番7号
電話:(06)6361-1381 - 入場料
- 無料/一部展示販売