「刀剣漫画」は見どころたっぷり! - 刀剣ワールド
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- 刀剣ワールドのコンテンツ・刀剣漫画は必見!
- 2000年(平成12年)~現在:メディアミックスで人気倍増!
- 聖杯戦争での剣技が冴える「Fate/stay night」
- 「なまずランプ 幕末*都市伝説」の岡っ引きは命懸け
- 1980~1999年(昭和55年~平成11年):長編漫画が人気を博す
- 七人の侍に影響を受けた「ONE PIECE」
- 「KATANA」では研師の高校生が主人公に
- 戦後~1979年(昭和54年):週刊少年漫画雑誌時代の到来!
- 水に濡れると女の子になる武道家「らんま1/2」
- 天叢雲剣が繋ぐ「ナムジ」、「神武」、「ヤマトタケル」
- 戦前:日本漫画の基礎を築いた漫画家の誕生
- 「血笑鴉」で魅せる超人的剣技
- 胴太貫を愛刀とする拝一刀の復讐劇「子連れ狼」
- 漫画から広がる刀剣の世界!

刀剣好きは、日本人のDNAに刻まれている!?そう思えるほど、日本文化のあらゆるジャンルに登場する日本の刀剣。それは、同じく日本人が大好きで、世界に誇る日本文化のひとつ「漫画」も例外ではありません。
この刀剣と漫画の相性はバツグンで、漫画の黎明期である戦前から現代まで、多くの作家が刀剣を作品に登場させているのです。
刀剣ワールドのコンテンツ・刀剣漫画は必見!
2000年(平成12年)~現在:メディアミックスで人気倍増!
刀剣漫画では、4つに分けた時代ごとに漫画を取り巻く状況を解説。作品の連載が始まった年ではなく、作者のデビューが基準となっています。
2000年代(平成12年~)のキーワードとなるのが、メディアミックスです。ひとつの作品を漫画のみで展開するのではなく、ゲームやアニメ、舞台など、複数のジャンルを組み合わせることで狙える相乗効果について言及。

ゲーム「戦国BASARA」のキャラクター
また、「歴女」という言葉が生まれるキッカケにもなった、大人気家庭用ゲーム「戦国BASARA」や、歴史シミュレーションゲームの先駆け「信長の野望」が漫画化された背景にも話は及んでいます。
こうしたなかで人気を博している作者をピックアップ。代表的な刀剣漫画作品を例に挙げて、その独自の世界を紐解いています。ゲームから漫画化されて話題となり、さらにジャンルを広げていった作品もあるのです。
刀剣漫画で取り上げられている漫画作品の一部を例として見ていきましょう。
聖杯戦争での剣技が冴える「Fate/stay night」
「Fate/stay night」(フェイト/ステイナイト)は、2004年(平成16年)に、「奈須きのこ」(なすきのこ)氏と「TYPE-MOON」によって、パソコン版ビジュアルノベルゲームとして発表されました。その2年後、アニメ化と同時に漫画化されます。
「サーヴァント」と呼ばれる英霊が、選ばれた魔術師(マスター)と共に聖杯戦争を繰り広げる物語です。主人公は、魔術師見習いの少年。彼のサーヴァントは「セイバー」と呼ばれる剣使いで、セイバーの剣は重要な場面で真価を発揮します。
また、「アサシン」(暗殺者)として、「佐々木小次郎」の姿をしたサーヴァントも登場。時代小説で知られるようになった秘剣「燕返し」(つばめがえし)を披露します。
刀剣が登場する奈須きのこ氏の漫画作品を、刀剣の描写とともにご紹介します。
「なまずランプ 幕末*都市伝説」の岡っ引きは命懸け
2008年(平成20年)に連載が始まった「たかぎ七彦」(たかぎななひこ)氏の「なまずランプ 幕末*都市伝説」。この作品は、ファンタジーとは一線を画したリアリティのある幕末の江戸が舞台となっています。
主人公の町人・平次郎は、第1部「天の部」で人殺しの罪を着せられ牢獄へ。しかし、獄中で「江戸城」(東京都千代田区)の御金蔵(おかねぐら)破りの情報を得たことで、犯人を捕らえる代わりに死罪を免れるチャンスを掴みます。身代わりに妹が人質となり、与えられた猶予は3日間。岡っ引きとして十手を渡された平次郎は、手がかりを知る侍に立ち向かう決意を固めるのです。
刀剣漫画のなまずランプ 幕末*都市伝説解説ページでは、捕物帳物の系譜について紹介。岡っ引きの活躍についても、詳しく述べています。
刀剣が登場するたかぎ七彦氏の漫画作品を、刀剣の描写とともにご紹介します。
1980~1999年(昭和55年~平成11年):長編漫画が人気を博す
この時代には、漫画連載とテレビアニメ化の連動が定着。3大週刊少年漫画誌が鎬を削り、長編漫画が数多く登場しました。
日本のみならず世界中で人気を獲得し、連載されている有名作品についても深く見ることができる項目です。数多くの作者がピックアップされています。
七人の侍に影響を受けた「ONE PIECE」
言わずと知れた、世界的大ヒット作の「ONE PIECE」。作者の「尾田栄一郎」(おだえいいちろう)氏は、主人公のモンキー・D・ルフィが仲間を集めていく過程では、「黒澤明」監督の「七人の侍」に影響を受けたと明かしています。
物語の舞台は、海賊王ゴール・D・ロジャーが残したひとつなぎの財宝(ワンピース)を巡る大航海時代。
しかし、七人の侍にも通じる「侍魂」とも呼べるモチーフは作品の随所に見られ、例えばルフィの仲間のひとり、ロロノア・ゾロは、「日本刀」を自在に操る3刀流の剣士です。ゾロ以外にも多くの個性的な剣士が登場し、ONE PIECEの世界で刀剣は、最上大業物12工、大業物21工、良業物50工の段階が示されます。
この分類は、江戸時代後期に、刀剣の試し切り役を務めた「山田浅右衛門吉睦」(やまだあさえもんよしむつ)が刊行した「懐宝剣尺」(かいほうけんじゃく)の記載をもとにしました。
ONE PIECEの解説では、印象的な刀剣キャラをクローズアップ。ONE PIECEを刀剣ファン目線で楽しむための一助となっています。
刀剣が登場する尾田栄一郎氏の漫画作品を、刀剣の描写とともにご紹介します。
「KATANA」では研師の高校生が主人公に

研師
2004年(平成16年)の読み切りから始まった「KATANA」は、不思議な力を持つ研師(とぎし)の高校生、成川滉(なりかわあきら)が主人公。作者「かまたきみこ」氏の実家には刀剣があり、刀剣の世界は身近な存在だったそうです。
主人公の成川滉は、1,000年以上の伝統がある研師の跡取り息子で、刀剣の魂にあたる「魂魄」(こんぱく)が人の姿として見え、会話もできます。古びて錆びた刀剣を成川滉が研ぐと、荒んだ姿をしていた魂魄が、本来の生き生きとした姿を取り戻すのです。
KATANAの解説ページでは、かまたきみこ氏が女性にも刀剣の世界に親しんでもらいたいという想いで始めた活動を紹介。昨今の刀剣ブームの中で担った役割についても記述しています。
戦後~1979年(昭和54年):週刊少年漫画雑誌時代の到来
週刊少年漫画雑誌が相次いで刊行されたことにふれ、当時の競争が激しかったこと、また「剣と魔法」をモチーフとした少女漫画の流れが少年漫画にも登場したことを解説します。
水に濡れると女の子になる武道家「らんま1/2」
「うる星やつら」でも知られる「高橋留美子」(たかはしるみこ)氏の「らんま1/2」は、「ジャッキー・チェン」のカンフー映画から着想を得たそうです。
主人公の早乙女乱馬は、中国での修行中に呪泉郷(じゅせんきょう)の泉に落ち、水に濡れると変身してしまう体質に。そんな乱馬を巡って、個性的過ぎる面々が騒動を繰り広げます。
らんま1/2の解説では、何かに付けて木刀(ぼくとう)を振り回す剣道部主将の久能帯刀(くのうたてわき)や、常に刀剣を携帯している乱馬の母・早乙女のどかなどの刀剣キャラを紹介。
さらに、「両性設定」についても言及し、男性・女性、ときには動物や妖怪に変身してしまうキャラクター表現にふれています。
刀剣が登場する高橋留美子氏の漫画作品を、刀剣の描写とともにご紹介します。
天叢雲剣が繋ぐ「ナムジ」、「神武」、「ヤマトタケル」
アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザイン・作画監督として有名な「安彦良和」(やすひこよしかず)氏は、作品に「天叢雲剣」(あめのむらくものつるぎ)を登場させました。
天叢雲剣は「草薙剣」(くさなぎのつるぎ)とも呼ばれ、日本神話において、スサノオがヤマタノオロチを退治したとき、大蛇の尾から見付かったとされる神剣で、「三種の神器」のひとつとなっています。

三種の神器
この天叢雲剣を描いた作品が、日本神話を題材とした「ナムジ」、ナムジの続編にあたる「神武」、そして古事記、日本書紀をもとにした「ヤマトタケル」です。
安彦良和氏の解説ページでは、3つの作品を通して、安彦良和氏による独自の日本史観について述べ、日本の漫画で剣と魔法が描かれることになった当時のトレンドを紹介しています。
刀剣が登場する安彦良和氏の漫画作品を、刀剣の描写とともにご紹介します。
戦前:日本漫画の基礎を築いた漫画家の誕生
「血笑鴉」で魅せる超人的剣技
「鉄人28号」や「魔法使いサリー」など、SF・ファンタジー作品で活躍した「横山光輝」(よこやまみつてる)氏は、歴史物・時代劇も得意としました。
なかでも、忍者物ブームの先駆けとなった「伊賀の影丸」や、特撮テレビドラマと連動して描かれた「仮面の忍者 赤影」は、たいへんな人気を博します。
刀剣漫画では、超人的な剣技を駆使する鴉(からす)が主人公の「血笑鴉」(けっしょうがらす)をピックアップ。記憶を失い、名前も失った主人公は鴉と名乗り、暗殺を請け負っています。そんな鴉は、「1振りしたと見えたときには2振りしている」と言われる剣技・霞の小太刀(かすみのこだち)の使い手です。
血笑鴉は、最初に青年漫画雑誌で連載されましたが、5年のブランクを経て、少年漫画雑誌で再開。ジャンルによって描写を変えている点や、青年向けでは世の中の不条理を扱っている点などが紹介されています。
刀剣が登場する横山光輝氏の漫画作品を、刀剣の描写とともにご紹介します。
胴太貫を愛刀とする拝一刀の復讐劇「子連れ狼」
「小池一夫」(こいけかずお)氏は、劇画原作者として多くの作品を手掛けましたが、その中でも「子連れ狼」はテレビドラマ化もされ、当時一世を風靡しました。
江戸幕府の公儀介錯人(こうぎかいしゃくにん)だった主人公の拝一刀(おがみいっとう)は、柳生一族の柳生烈堂(やぎゅうれつどう)によって妻と職を失い復讐の旅に出ます。
幼い息子の大五郎を乳母車に乗せて連れた姿から、子連れ狼の異名を取っているのです。
この、拝一刀の愛刀が「胴太貫」(どうたぬき)。胴太貫は、実在した肥後国(現在の熊本県)の刀工一派「同田貫」(どうだぬき)をモデルとしました。同田貫一派は「加藤清正」のお抱え刀工として、豪壮な実戦刀を作ったと言われています。刀剣漫画では、子連れ狼をはじめとする小池一夫氏の多岐に亘る活躍を紹介。フィクションと史実を織り交ぜながら紡がれる作品の魅力が、海外の映画やドラマにも、影響を与えたことを解説しています。
また、「刀剣ワールド財団」が所蔵する「肥後同田貫宗広」(ひごどうだぬきむねひろ)は、加藤清正よりのちの江戸時代後期の作品ですが、足(あし)・葉(よう)の働きがよく入った刃文と、板目流れで柾目(まさめ)がかかる鍛えの良い地肌に、同田貫一派らしい特色が表れた見事な作品です。

刀 銘 肥後同田貫宗広(天保十年九月日)
漫画から広がる刀剣の世界!
見応えたっぷりな刀剣漫画のコンテンツ。時代による作画のトレンドも一目瞭然で、興味は尽きません。
漫画ファンも、刀剣ファンも、そうでない方も、ぜひご覧になるようおすすめします! 刀剣漫画のガイドとしても、きっとご活用いただけることでしょう。
漫画には魅力的な刀剣キャラが綺羅星のごとく登場し、多彩な剣技を見せてくれることがよく分かります。